― 王室プロジェクトの裏側にある思想 「成功」とは、何だろうか。成果が数値で示され、名前が評価され、社会に“分かりやすい結果”を残すことだろうか。 だが、文明の歴史をたどると、成功の影で、必ず消えていったものがある。土地に根ざした知恵、時間…
― 麻を守った男、Weerachai Nanakornの、語られない選択 私たちは、つい「声の大きな人」を重要だと思ってしまう。成功を語る人、正しさを示す人、未来を設計すると宣言する人。文明は、いつもそうした人物を中心に回ってきた。 だが、…
―― 水で支配するか、土を育てるか 砂漠で農業を行うことは可能だ。それは、もう証明されている。巨大なスプリンクラー。地下水をくみ上げ、円を描く農地。短期間で育つ作物。だが、ここで一つ問いが残る。それは「砂漠と生きる農業」なのか。それとも「砂…
―― 草・麻・木の下で進む、見えない科学 砂漠の緑化を語るとき、多くの記事は「水」「技術」「作物」に焦点を当てる。だが、砂が土に変わる現場では、まったく別のことが起きている。それは、目に見えないレベルでの構造変化だ。 砂と土の決定的な科学的…
―― 草・麻・木がつくる、砂漠の再設計 砂漠を緑にしたい。この願いは何十年もくり返されてきた。 ダムを作る。水を引く。肥料を入れる。最新技術を使う。 だが、多くは失敗した。理由ははっきりしている。 砂漠の問題は「水」ではなく、「土がない」こ…
―― 管理できない価値を失った文明の行き止まり 現代文明は、数字を信じている。GDP、成長率、排出量、効率、KPI、スコア。測れるものは「存在」し、測れないものは「曖昧」とされる。だが、文明の歴史が示してきたのは、本当に文明を支えてきたもの…
―― 見えない数字が、国家の存続を左右し始めた理由 近年、各国の農業政策や環境政策で、ある言葉が急に重みを持ち始めた。それが土壌炭素である。炭素といえば、排出量、工場、エネルギー、CO₂。本来は大気の話だった。だが今、国家は土の中の炭素量を…
―― 滅びは戦争でも革命でもなく、足元から始まる 文明は、何によって崩れるのか。戦争か。疫病か。経済破綻か。歴史は何度も語られてきたが、それらは最後に表れる症状にすぎない。文明が本当に崩れるのは、土が崩れたあとである。 文明の始まりは、土だ…
―― 人間のルールが自然に敗北する瞬間 法律は、人間社会を秩序づけるためにある。境界を定め、行為を制限し、責任を明確にする。だが、人間の歴史は何度も示してきた。法律が通用しない領域がある。それが、土である。 土は命令を聞かない 法律は命令形…
―― なぜ麻は「禁止」され、「誤解」され、「周縁化」されたのか 国家が恐れるものは何か。武器か。宗教か。思想か。歴史を見れば答えは明確だ。国家が本当に恐れるのは、「自立を生む構造」である。そして、その条件をすべて満たしてしまう作物がある。そ…
―― 水・土・気候を支える「生きた基盤」 インフラとは何か。道路、ダム、送電網、上下水道。国家や社会を支える「土台」となる仕組みのことだ。だが、現代社会は一つの致命的な勘違いをしている。本来インフラであるものを、インフラとして扱っていない。…
―― アルゼンチン干ばつの本当の原因と、唯一の回復ルート 南米最大級の穀物生産国であるアルゼンチンは、近年深刻な干ばつに繰り返し見舞われている。大豆、トウモロコシ、小麦という世界市場を支える作物の生産が不安定化し、国全体の経済にも大きな影響…
― PBS調査が示した現実と、「麻と一緒に植える」という別の答え ― 2019年、MrBeast は「2,000万本の木を植える」という、きわめて象徴的な目標を掲げた。 この挑戦は瞬く間に広がり、YouTuberや科学コミュニケーターが協力…
― 「治す」ことに集中しすぎた結果 一見、農業と医療はまったく別の世界に見える。だが、深く見ていくと、同じ場所で、同じ判断ミスをしてきたことが分かる。それは、症状を消すことに集中しすぎたという点だ。 問題が起きた時、同じ反応をした 農業で虫…
― 壊れる順番も、なおる順番も同じ 土の話をしていると、どこかで人の体の話と重なってくる。 それは比ゆではない。土・水・人の体は、ほぼ同じ原理で成り立っている。 そして、壊れ方も、なおり方も、驚くほど似ている。 見た目より「中身」で決まる世…
― 「回らなくなった田んぼ」を立て直す一手 田んぼがうまくいかなくなったとき、多くの場合、対処はこうなる。・肥料を足す・薬を変える・管理を細かくするけれど、それでも何かが戻らない。収量ではなく、手応えのようなものが消えている。そんな田んぼに…
― 未来の農業が思い出すべき原点 農業の未来を語るとき、人はつい「新しい技術」や「効率」を探そうとする。だが、いま本当に必要なのは、前に進むことではなく、思い出すことなのかもしれない。その中心にある作物が、麻(ヘンプ)だ。 麻は「作る作物」…
― 土・水・菌・虫の完全な循環 昔の日本の夏には、田んぼの上をトンボが無数に飛んでいた。夕方になると、赤トンボが空をうめ、子どもたちは当たり前のようにそれを見て育った。いま、その光景はほとんど見られない。理由を「気候変動」や「開発」の一言で…
― 科学が示す、土壌という巨大な冷却システム 氷河や極地の氷が融けている理由は、単純に「気温が上がったから」ではない。より正確に言えば、地球システムに余分な熱が入り続け、その熱を逃がす仕組みが追いついていないことが本質である。そして科学的に…
―― 土壌菌という“最後のインフラ” ポールシフトが話題になるたび、人類は同じ不安を繰り返す。磁場が弱くなるのではないか。通信が止まるのではないか。文明が崩壊するのではないか。だが、地質学的に見れば、ポールシフトそのものが文明や生物を滅ぼし…
―― 完全食にもっとも近い種・麻の実の構造 集中力が続かない。気持ちの切り替えがむずかしい。体は疲れているのに、頭は休まらない。こうした不調は、年齢や性格の問題ではない。脳と体の材料不足が、静かに進んでいる可能性がある。その「材料」として、…
人類が管理しすぎた瞬間、地球は壊れ始めた もし、現代世界のあらゆるデータをスーパーコンピューターに入力したら、どのような未来が示されるだろうか。 戦争、人口、経済、資源、技術、気候。条件をどう調整しても、多くの場合、答えは一つに収束する。 …
私たちは毎年「見えない宇宙」を壊し続けている 土は、ただの茶色い物質ではない。それは生命が重なり合って存在する空間だ。 たった1立方センチメートル。指先にのるほどの土の中に、 10億個以上の微生物が生きている。 これは比ゆではない。科学が確…
農業という未修正システムと、唯一のパッチ「麻」 今の環境議論は、致命的な設計ミスを抱えたまま走っている。 問題を「二酸化炭素(CO₂)」に限定した瞬間、本当の原因から目をそらした。 これは意見ではない。構造の話だ。 問題の再定義 最大の温室…
農業・亜酸化窒素・そして「麻」という唯一の解答 世界の環境問題は、長いあいだ二酸化炭素(CO₂)を中心に語られてきた。 発電、車、工場、飛行機。それらを減らせば地球は救われる、という物語が共有されている。 しかし、それは「分かりやすい数字」…
近年、世界各地で進む麻(カンナビス)の合法化・非犯罪化は、単なる嗜好品解禁や新産業創出の話ではない。その根底には、国家が「弱者」や「逸脱」と見なされた人々をどのように扱うのかという、きわめて根源的な問いが横たわっている。 この文脈で注目すべ…
──文化と尊厳を守ろうとした人々の記憶 守れない理想は、何度でも奪われる。問題は、「力を持つかどうか」ではない。守る覚悟と、引き金を引かない理性を、同時に持てるかどうかだ。 麻は、ただの植物ではなかった。 それは布であり、薬であり、祈りであ…
――思考を手放した人類が再び「感じる文明」に戻るとき AIが奪うのは仕事ではなく「思考の特権」である AI時代の到来は、しばしば「仕事が奪われる」「人間が不要になる」という文脈で語られる。しかし、より本質的な変化はそこではない。AIが人類か…
——持続可能なリーダーシップにおける静かな革命タイ史上、最も深く国民の心に刻まれた人物の一人が、ラーマ9世・プミポン国王である。その治世70年は、大規模インフラでも華やかな改革でもなく、“弱い立場の人を支える”という、一貫した哲学の実践とし…
アジアの中で、これほどまでに“単一の政策”によって世界の注目を浴びた政治家は多くない。タイの首相・前保健大臣として知られる アヌーティン・チャーンウィラクーンは、地域で最も大胆な大麻政策転換を主導し、世界の医療・農業・観光産業に新しい議論の…
Sign in to your account