2024東京都知事選リバイバル

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まさしくカオス。築地川銀座公園は混沌とした雰囲気に包まれていた。雷雨をともなう大雨が少しおさまりはじめた夕暮れ時、普段交わることない人たちが集まった理由は19時からはじまる東京都知事候補・田母神としおの最終演説だ。スーツ姿、ドレッドヘアのラスタマン、10代とおぼしき女性、買い物袋を提げた子連れの主婦、、、。公園のそこらかしらで日本の国旗が大小さまざまに揺れている。
右翼や左翼、革新や保守、そして普段は政治に関心のない層、そして思想的に対立している人たちが、普段のこの時間は人気まばらな公園に数千人規模で溢れている。
演説用に公園前に乗り付けられた特別仕様のウィングカーのステージには、コメディアンのせんだみつお氏、俳優の西岡徳馬氏、デヴィ夫人、衆議院議員鈴木あつし氏、カリスマ国際情勢YouTuberの及川幸久氏、シンガーソングライターのSAYA氏、令和のタケちゃんこと後藤たけし氏、ミュージシャンの梶原弘行氏、日本のための選択肢の中村和弘氏、ニッポンおかみさん会会長で浅草おかみさん会の冨永照子氏、新党やまとの小林こうき氏、参政党の山中泉氏といった選挙期間を通じてさまざまな場所での演説会の応援に駆けつけた著名人たちと田母神としお候補。
それぞれがそれぞれの田母神としお候補への想いと日本への想いを乗せて演説するたびに公園に集まった聴衆から怒号のような声援や甲高い叫び声のような声援、拍手が湧き起こった。1番の盛り上がりは20時までと決められた演説時間の最後の最後にやってきた。田母神としお候補がマイクを握り、選挙戦最後の演説をはじめると一瞬の盛り上がりと一言も聞き逃さないような静寂。そして歓喜へと変わっていく。会場を揺らすような巻き起こる田母神コールの大声援の中、田母神としお候補の首に大麻から生み出された龍が巻かれ、「コレは大麻、大麻で作ったんですよ、みなさん」の呼びかけに田母神コールが無くなり一瞬の戸惑いが聴衆に生まれた。大麻は悪いものではない、大麻は薬物ではない、そんなイメージを植え付けられたもの、神社に必要なもの、石油でできるものはすべて大麻でできる、、、。すでに時間をオーバーしそうな中で最後の最後に大麻の必要性を訴える田母神候補に戸惑いながらも声援と拍手が段々と増え続け、そして一体化していった。カオスが融合に変わった瞬間だった。
「大麻は大東亜戦争までは神社のしめ縄などを始めとして日本国民の生活と密接にかかわってきた。しかし戦後神社弱体化と張力に強い大麻糸の代わりに米国の鋼線を使わせる意図をもってGHQが、大した毒性もないのに薬物に指定した。だから現在大麻を薬物に指定している主要国は日本と韓国だけである。もうそろそろ大麻の薬物指定を解除してもいいのではないか。」
田母神としお氏のXでの発言が50万を超える炎上状態となり賛否両論さまざまな意見が飛び交い、トレンド入りした。日本において大麻は「ダメ絶対」とイメージされる絶対悪の対象であり、いわゆる保守陣営の代表的な人物とされる田母神としお氏から発信される言葉としては思いもよらないメッセージであり、なりすましや乗っ取りすら疑われる騒動となったが、本人自らの発信であることがわかると、今度は洗脳や痴呆まで疑われることとなった。大麻容認を発言することでこれまでの支持層は大きな失望感の元、少しずつ彼の元を去っていった。
これまでの支持者が彼の大麻容認に反対し、揶揄し、発言を控えるようにアドバイスする中でも大麻に対する好意的な態度は変わらず、その決意を前面に日本の首都東京の首長を決める東京都知事選への出馬を表明する。「災害に強い東京」「国家の自立」「都民税の減税」などの公約とともに大麻栽培を公約の一つとし、「大麻栽培は都知事の権限で承認。大麻は法律違反だが栽培は都道府県知事の承認。衣類などでは需要がある。戦前はずっと使っていた。占領下でアメリカに強制された」と発言する。そして実際に選挙公約として「日本人としての自身と誇りを持たせる教育の実施」を公約として掲げる中で大麻草栽培をあげ、日本の根底にある基層文化としての大麻への理解を示した。大麻容認が公約に盛り込まれたことでこれまでの支持層からの反発はさらに増大し、選挙事務所には1000件近くの抗議や非難、恫喝といった電話やメールが殺到することになった。それでも大麻容認を訴え続けることでこれまでの支持層はほぼ居なくなる危機的な状況へと変わっていった。
これまでの支持層と入れ替わるように支持・支援を表明しはじめたのは比較的オープンな姿勢を持つ若い世代であり、単純な「ダメ絶対」的な思考停止を軽やかに凌駕し、嗜好だけでなく、健康や自由に関する議論にすら及ぶ層だった。田母神氏がこの世代の意見を取り入れ、政策に反映させることで、若年層の支持を拡大する。「若い人が選挙に行ってくれれば、私も可能性が出てくる」と新宿・歌舞伎町でホステスやバーテンダーら若者約100人と交流し、また、東横キッズと呼ばれる家庭などに問題を抱え居場所を求める青少年・少女たちとの交流も進める。
「私のために」という政治家は多い中、「私のために」「私たちのために」の声を拾い上げていく。集まってきたのは田母神氏のいう「自立した国家を取り戻す伝統保守」が弱者のためであり、若い世代の未来のためであり、そして伝統保守の象徴として大麻があることを直感として感覚的に気付いた若い世代だった。離れていったのは大麻禁止に象徴される対米追従を是とする戦後保守であり、集まりはじめたのは大麻に象徴される伝統保守の支持者だった。「大麻、大麻」と訴える声に驚きながらも真剣に耳を傾けはじめる若者に対して、戦後保守層は耳を塞ぎ、多くのメディアはその声を無視、あるいは報道しない自由を行使しはじめ、大手メディア情報とWEBメディアやソーシャルメディアとの情報の乖離は著しいものとなっていく。
〈大麻で闘う日本の勇者 逆転のヒントは日本〉
・ゼロからのスタート 真の伝統保守を構築
・大麻による融合と団結 新しい価値観の創出
どれだけ大麻のことを訴えようと大手メディアはまるで取り決めがあるかのように完全に無視となった。街頭演説、テレビ出演、密着取材、単独インタビュー、討論会、講演会、、、すべてで大麻を語り、すべてで報道されることはなかった。すべての主要テレビ局、新聞社、雑誌社で。
唯一、単独取材で街頭演説に回る田母神氏を移動中の車の中でインタビューを敢行した大麻の総合ポータルサイト〈麻なび〉の嗜好にまで踏み込んだ15分間の動画が事務所発信と個人発信を除く最初で最後の大麻記事だ。伝統文化や産業利用だけでなく嗜好にまで踏み込んだ発言はスクープでもあり、良きにしろ悪きにしろ、どのようなカタチであれ報道に値する情報なはずだが、一切の後追いもなかった。検閲産業複合体の波は静かにしかし確実に日本にも及んでいる。
大麻に関する発言は誰ということなしにタブーに近い雰囲気が醸し出され、専任スタッフ、ボランティアスタッフの中でもなかなか話題に上ることは無かったが、それでも時折、大麻に関心のある来訪者から日本の現状が密やかに、よくある噂話として話題にあがった。そのほとんどは笑い話に過ぎないが、行き過ぎた笑い話は時に人を犯罪者や社会不適合者、病人にしたてあげる。
さらに、現在の法律では完全に合法である種や茎すらもまるで必要のない、悪として見る人たちまで生み出している。
そんな社会規制や自主規制がおこなわれている日本で大麻を公に語ることは難しい。「大麻をやってる」ではなく、「大麻に関心がある」だけでも白い目でみられ、軽蔑され、社会的信用を無くす雰囲気のなかで、大麻を公に語り、大麻容認を公言する人は多くはない。戦後80年になろうとする大麻が絶対悪の教育や社会の中で黒を白と、黒こそが白である、と訴え続けるリスキーな闘いの中で生み出されたのは意外にも理解と調和、融合と団結だった。「王様は裸だ!」と叫ぶ勇気を多くの人が持つはじめの一歩が選挙戦を通じて生まれようとしていた。社会への違和感や閉塞感の原因がどこにあるのかを大麻を通して理解する人たちが生まれてきたのだ。そのひとつがてんかんの少女を見殺しにしようとする法律とそれを救おうとする選挙期間中に起きた動きだった。
国際都市東京は世界をリードする自信に満ちた都市へと変貌を遂げた。大麻合法化が進んでいる都市や国々の先駆的な成功事例ともなり、日本でも新たな法律や規制を模索する動きが期待されるようになった。世界に先んじて国際的な視点を持ち込むことで東京都の政策は世界の模範となった。
大麻容認政策は東京都のさまざまな側面においてポジティブな影響を与える。提案の実現は東京都ならびに日本が先進的な政策を採用する都市として世界的な注目を集め、世界をリードする都市、国への第一歩となった。
以上、すべてにおいて逆行しているのが日本の悲しい現実だ。
選挙後、新法の施行を前にし、さまざまな規制がかけられる直前にも関わらず、
そして、これまで大麻に関心になかった層が大麻に関心を持ちはじめている。大麻に関する書籍も発行され『大麻と私』(高樹沙耶著)のようにAmazon売り上げランキング上位にランクインし売り切れ続出入手困難になったり、大麻の解説本があらためて注目されプレミアが付いたりする現象が起こっている。世界中で動き出している大麻、そして逆行する日本の大麻。大麻を通して見えてくるのは政治、環境、伝統、国のあるべき姿、そして私たちの未来だ。〈東京最後の闘い〉は〈大麻姿最後の闘い〉でもあり〈地球最後の闘い〉へと地繋がりだ。大麻がわかれば日本がわかり、大麻がわかれば世界がわかる。大麻で世界は変えられる。世界への流れを、未来への流れを変えるのは今しかない。大麻による医衣食住の未来は私たちの未来を築きあげる。
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