ラッパーは、タレントや俳優と違い、「自らの言葉で社会と対峙する職業」だ。彼らのリリックには、政治、警察、差別、暴力、死――社会の“裏”が赤裸々に描かれる。それゆえ、ラッパーが吸う大麻には、単なる違法薬物以上の“象徴性”が宿る。たとえば、漢 a.k.a. GAMIはリリックの中でこう語る。「吸ってんのは草、吐いてんのは言葉」この一節に込められたのは、「煙」は“罪”で、“声”は“自由”だという主張だった。だが現実はその逆だった。彼がマイクを持ち、ラジオやTVで発信力を持つようになるほど、「摘発」は現実のものとなった。これは偶然か?それとも、“言葉を持った吸引者”だけがターゲットになっているのではないか?