RFK Jr.、連邦レベルでの大麻合法化を公約──「自由と経済のために必要だ」

2024年アメリカ大統領選に無所属で出馬したロバート・F・ケネディ・ジュニア(RFK Jr.)が、大麻の連邦レベルでの合法化を公約の一つに掲げ、注目を集めている。ケネディ家の名門出身でありながら、既存の政治体制を批判し続けてきた彼は、今回の選挙戦で「自由」と「経済的利益」の観点から、大麻規制の撤廃を強く訴えている。

「大麻禁止は時代遅れ」──RFK Jr.の主張

現在、アメリカでは多くの州が医療用および娯楽用大麻を合法化しているものの、連邦法の下では依然として違法な麻薬と分類されている。このため、州レベルで合法化が進む一方で、銀行サービスの制約や州間取引の禁止など、産業発展の妨げとなる要因が多い。

RFK Jr.はこれに対し、「大麻禁止はもはや時代遅れの政策であり、無意味な犯罪化を生み、経済的成長の足かせになっている」と主張。彼の政策は、大麻のスケジュールⅠ(最も厳しい規制対象)からの除外を推進し、アルコールやタバコと同様の規制体制へ移行することを目指している。

経済効果と社会的影響

RFK Jr.は、大麻の合法化がもたらす経済効果にも着目している。現在、合法市場は急成長を遂げており、2023年時点でアメリカの大麻産業は年間300億ドル規模に達していると推定されている。しかし、連邦政府が依然として違法とみなしているため、多くの企業が税制面で不利益を被り、銀行融資も受けにくい状況にある。

彼は「完全合法化によって、新たな雇用を生み出し、中小企業の参入障壁を取り除くことができる。さらに、政府は課税による財源を確保し、教育や医療に再投資できる」と述べている。

また、RFK Jr.は大麻犯罪による不当な逮捕・投獄の問題にも言及。「特に黒人やヒスパニック系アメリカ人が大麻関連の犯罪で不釣り合いに逮捕されてきた歴史がある。この不公平を是正するためにも、連邦レベルでの合法化が必要だ」として、過去の大麻関連の有罪判決を取り消し、服役者の釈放を進める考えを示した。

大統領選と大麻政策の行方

現在、バイデン政権も大麻の非犯罪化に向けた動きを見せており、スケジュールⅠからの格下げを検討している。しかし、RFK Jr.は「半端な改革ではなく、完全合法化こそが必要だ」と主張。民主党・共和党のどちらにも属さない独立候補として、より大胆な改革を提案している。

アメリカの有権者の間では、大麻合法化を支持する声が年々増えており、最新の世論調査では70%以上が連邦レベルでの合法化に賛成しているというデータもある。RFK Jr.の政策がどこまで支持を集めるか、今後の選挙戦の行方に注目が集まる。

「自由」のための闘い

ケネディ家といえば、伝統的な民主党の象徴ともいえる存在だが、RFK Jr.は「既存の政治体制に縛られない自由」を追求してきた。環境問題やワクチン政策など、従来の枠を超えたスタンスを取りながら、今回の選挙戦では大麻合法化を重要な争点として掲げている。

彼は「これは単なる嗜好品の問題ではない。政府が国民の自由を制限すべきか、それとも選択の権利を尊重すべきかという、より大きな議論なのだ」と語る。

果たしてRFK Jr.のビジョンは、アメリカの未来にどのような影響を与えるのか。連邦レベルでの大麻解禁が現実となる日は、そう遠くないのかもしれない。