石油由来のナイロン(プラスティックの一種)などの魚網の最大の利点は、水中で腐敗しないこと。しかし、その利点が環境破壊の最大の原因となっている。特に「マイクロプラスチック」と「ゴーストネット(廃網)」は世界的な大きな問題。世界で460万隻を超える商業漁船から出るゴーストネットは、重量換算で海洋プラスチックゴミ全体の46%~70%を占めると推定されている(HillNotes)。ストローやビニール製レジ袋よりも深刻なのだ。ストローが海洋プラスチック汚染に占める割合は0.03%なのに。何かがとてもおかしい。こういったミスディレクション(注意を意図していない別の所に向かせるテクニック)を政治家が行う時代なのだ。驚くことに1日に仕掛けられる延縄(はえなわ)の長さは、地球を500周巻ける長さ(Seaspiracy:偽りのサスティナブル漁業より)。それらは、石油由来のプラスチックで出来ており、ほぼ自然分解することはない。破棄され海中に漂い続ける魚網はまさにゴーストの名にふさわしく、海洋生物を脅かし、生態系を破壊する。