「漢 a.k.a. GAMI」が体現した“言葉の解放”とその代償

2000年代初頭、まだ「ラップ=不良の趣味」と揶揄されていた時代。漢はそのなかで新宿・歌舞伎町という生々しいリアルを背負いながら、徹底的に“言葉”にこだわった。仲間を喪い、自らも薬物に触れながらも、ラップは武器だという信念だけは貫いた。彼が主宰したレーベル「鎖グループ」は、金ではなく“言葉”でつながるクルーだった。そのスタイルはメジャー志向ではなく、自己表現の純度に賭けるストリート哲学そのもの。彼のラップには必ず「この社会で声を上げろ」「自由とは何か」という問いが潜んでいた。
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