ジョン・レノンと伊勢神宮──“イマジン”誕生に秘められた都市伝説

神域でのインスピレーション──世界平和のメッセージは伊勢の森から生まれたのか?

1971年、世界に衝撃を与えたジョン・レノンの代表曲『イマジン』。その誕生にまつわる、ある“異国の神話”が静かに囁かれている。舞台は日本、三重県・伊勢市。神々が鎮まるとされる伊勢神宮。その森深き神域で、レノンが大麻とともに天啓を得た──そんな都市伝説が、音楽ファンやスピリチュアル愛好家の間で密かに語り継がれているのだ。

「日本に惹かれたビートル」──ジョンと東洋思想

ジョン・レノンが日本文化や東洋思想に深く惹かれていたのは、広く知られている。妻オノ・ヨーコの影響もあって、彼の作品には禅やタオイズムの香りが漂う。1960年代後半から70年代初頭にかけて、彼はインドを旅し、マインドフルネスや精神世界の探求に没頭していた。

そんな彼が、一説によれば1970年頃、ひそかに伊勢神宮を訪れたという話がある。

禁断の儀式?──“神域での解放”

都市伝説によれば、ジョンは伊勢神宮の外宮近くに滞在し、夜中に人気のない神域に分け入り、密かに大麻を吸ったという。その際、五十鈴川のほとりで感じた“宇宙との一体感”が、『イマジン』の歌詞に繋がったというのだ。

“Imagine there’s no heaven / It’s easy if you try…”
(天国なんてないと想像してごらん──やってみれば簡単さ)

この歌詞に表れる、宗教や国境を超えたユートピア思想。それが、神道の「無我」「共生」「祓い」とどこかで共鳴していると見る向きもある。

フィクションか真実か──語り継がれる“聖地の幻影”

もちろん、こうした話に明確な証拠は存在しない。伊勢神宮は一般に夜間の立ち入りは禁止されており、外国人アーティストが大麻を吸っていたなどという話は、当時の社会状況から見ても極めてセンセーショナルだ。

しかし、ジョン・レノンという人物の神秘性、そして『イマジン』のスピリチュアルな輝きが、このような伝説を生む土壌を作っているのかもしれない。

音楽と聖地──“創造”の裏側にあるもの

ジョン・レノンの創作は、しばしば「内なる神」との対話だったと言われる。たとえ伊勢神宮のエピソードが事実ではなかったとしても、彼が東洋の精神文化にインスパイアされ、世界に“想像力”という武器を投げかけたのは確かだ。

そして今日も、伊勢の森を歩く誰かが、そっと『イマジン』を口ずさむ──まるで、その旋律が風の中に染み込んでいるかのように。