砂漠の砂を土に変える唯一の方法


砂漠を緑にしたい。
この願いは何十年もくり返されてきた。
ダムを作る。
水を引く。
肥料を入れる。
最新技術を使う。
だが、多くは失敗した。
理由ははっきりしている。
砂漠の問題は「水」ではなく、「土がない」ことだからだ。
砂漠の砂には、土に必要なものがほとんど無い。
・養分
・水をためる力
・微生物
・根が動いた記録
水をまいても、肥料を入れても、
砂は一時的に作物を育てるだけで、何も残さない。
止めた瞬間、すべて終わる。
これは「緑化」ではない。
ただの延命だ。
栄養を入れた水を点で与えれば、作物は育つ。
これは事実だ。
だが、水耕は
「植物を生かす技術」であって
「土を生むしくみ」ではない。
土とは、
根と微生物が長い時間をかけて作る構造物だ。
点滴で生きた体が、
自然に強くなることはない。
砂を土に変える方法は、実は一つしかない。
生き物の順番を、正しく入れること。
重要なのは「何を植えるか」ではなく、
「どの順で植えるか」だ。
最初に必要なのは、作物ではない。
草だ。
草の役割は単純だ。
・砂が飛ぶのを止める
・日差しをやわらげる
・根で水の道を作る
ここでは、
「生きていれば勝ち」。
収穫はいらない。
次に入るのが、麻(ヘンプ)だ。
麻は特別な働きをする。
・根が深く、砂をゆるめる
・微生物と強くつながる
・刈って戻せば、有機物になる
・一年で完結する
麻は作物ではない。
土を作るための道具だ。
この段階で、砂は変わり始める。
水の持ち。
色。
におい。
「砂だった場所」に、反応が出る。
最後に、木を入れる。
木の仕事は、育つことではない。
・風を止める
・日かげを作る
・落ち葉を落とす
木は、
土を守るための柱だ。
ここで、やっと土地は安定する。
多くの緑化計画が失敗する理由は一つ。
最初から作物を植えるからだ。
作物は、
土ができてから来る「客」であって、
土を作る「職人」ではない。
順番を守った土地だけが、
作物を裏切らない。
砂漠の緑化は、
技術の話ではない。
設計の話だ。
・水をどれだけ使うか
ではなく
・命をどう回すか
草 → 麻 → 木
この順番を入れた土地だけが、
「未来」を残す。
砂漠の砂を土に変える唯一の方法は、
生き物に、正しい役割と順番を与えること。
水で支配する土地は、必ず枯れる。
土を育てる土地だけが、生き残る。
砂漠は、文明の本音を映す鏡だ。
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