麻は作物ではなく、インフラである


インフラとは何か。
道路、ダム、送電網、上下水道。
国家や社会を支える「土台」となる仕組みのことだ。
だが、現代社会は一つの致命的な勘違いをしている。
本来インフラであるものを、インフラとして扱っていない。
それが、麻(ヘンプ)である。
麻はしばしば
・繊維作物
・健康食品の原料
・サステナブル素材
として語られる。
どれも間違いではない。
しかし、それは麻の「副産物」にすぎない。
麻の本質的な役割は、
土・水・微生物・気候をつなぐ構造そのものにある。
インフラの条件は明確だ。
・壊れにくい
・維持コストが低い
・全体の安定性を高める
・単一障害点をつくらない
この条件を、麻はすべて満たしている。
麻の根は深く、直線的に伸びる。
これにより、
・硬盤層を破壊
・空気と水の通り道を形成
・地下水との接続を回復
これは、地下配管工事に相当する機能だ。
麻の根は糖類を分泌し、微生物を呼び込む。
すると土壌中に、
・菌糸ネットワーク
・水と栄養の分散輸送網
が再生される。
これは、自然がつくる分散型物流網である。
健全な土壌は巨大なスポンジだ。
麻が育った後の土壌では、
・雨水が浸透し
・地下に蓄えられ
・干ばつ時にゆっくり放出される
これはダムと違い、
一極集中せず、壊れない水インフラである。
麻は成長が早く、地表を覆う。
・直射日光を遮る
・土壌温度を下げる
・水分蒸発を抑える
これは、自然の冷却システムだ。
現代のインフラは、
・集中管理
・巨大化
・高コスト
・故障時の被害が大きい
という特徴を持つ。
一方、麻は、
・分散
・自己修復
・低コスト
・失敗しても被害が限定的
つまり、気候変動時代に適応したインフラなのである。
理由は単純だ。
・管理しにくい
・中央集権と相性が悪い
・土と人を自立させてしまう
麻は、
「売って終わり」の資源ではない。
土地を回復させ、依存を減らす存在だからだ。
麻をどう扱うかは、
農業政策の話ではない。
・水政策
・環境政策
・安全保障
・経済の安定性
すべてに関わる、国土インフラの設計思想の問題だ。
麻は作物ではない。
生きたインフラである。
ダムや配管は、
水を「管理」する。
麻は、
水が巡る「構造」をつくる。
干ばつ、洪水、土壌崩壊、気候不安定。
これらすべてに共通する解決策は、
コンクリートではなく、根にある。
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