麻を一作入れると、田んぼはどう変わるか


田んぼがうまくいかなくなったとき、
多くの場合、対処はこうなる。
・肥料を足す
・薬を変える
・管理を細かくする
けれど、それでも何かが戻らない。
収量ではなく、手応えのようなものが消えている。
そんな田んぼに、一度だけ麻(ヘンプ)を入れる。
それだけで、何が起きるのか。
麻を一作入れると、田んぼは
「管理しないと成り立たない場所」から
「自分で立ち直れる場所」へ向かい始める。
劇的な魔法ではない。
だが、確実に方向が変わる。
稲作が続いた田んぼは、
見えないところで疲れていることが多い。
・根が浅くなりやすい
・土がかたくなる
・水はあるのに息ができない
そこに麻を入れると、
・根が深く伸びる
・土を物理的にほぐす
・空気と水の通り道ができる
結果、
菌が動ける土に戻り始める。
菌が増えると、次に変わるのは水だ。
・水が腐りにくくなる
・においが減る
・ガスがたまりにくい
これは、
菌が有機物を分解し、
水と土の境目を安定させるから。
水が安定すると、
次の生き物が戻る準備が整う。
麻の畑は、虫が爆発的に増えるわけではない。
・益虫が残る
・水生昆虫が育つ
・フンや死がいが土に返る
この静かな動きが、
田んぼに戻ったときに効いてくる。
稲作に戻した翌年、
・害虫が極端に暴れにくい
・薬を入れなくても持つ場面が増える
これは
虫が戻ったからではなく、
虫が「住める場所」になったから。
麻を入れたあとに稲を作ると、
・根が太くなる
・広がりが出る
・倒れにくくなる
理由は単純で、
土と菌が稲を支える側に回るから。
肥料で引っぱる稲から、
土と一緒に立つ稲に変わる。
麻を一作入れた田んぼでは、
・農薬を減らせる
・肥料を減らせる
・水管理が楽になる
という変化が出やすい。
つまり、
何かを足した結果ではなく、
足さなくてよくなった結果。
これは農家にとって、かなり大きい。
重要なのは、
麻を毎年作る必要はない、ということ。
・土の構造を直す
・菌の多様性を戻す
・循環の初速をつける
これが一度起きると、
あとは稲作がその流れを引き継ぐ。
麻は
主役ではなく、整える役。
麻を入れることは、
新しいことではない。
・輪作
・休ませる
・違う根を入れる
昔は、自然にやっていた。
今はそれを
意識して一度だけやり直すだけ。
麻を一作入れると、田んぼは
・土が息をする
・菌が働く
・水が安定する
・虫が定着する
・稲が自分で立つ
という方向に、確実に動き出す。
それは
収量を上げるための技術ではなく、
田んぼが回り続けるための準備。
未来の農業に必要なのは、
無理に前へ進むことではない。
一度、立ち止まって、土をなおすこと。
その一手として、
麻はとても静かで、合理的な選択だ。
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