現代日本人にとって、「縄文時代」は学校教育で通り過ぎる歴史の一コマでしかない。しかし中山康直は、縄文を「最も洗練された精神文明の象徴」として捉える。そこには貨幣経済も支配構造も存在せず、人間が自然と共鳴しながら“調和”を中心に営まれていた「宇宙的な社会」が存在していたという。
彼は縄文人の感性を「直観的・共鳴的・霊性的」と分析し、現代社会に欠落してしまったその感性こそが、これからの地球時代に求められていると説く。
「縄文人は“神とつながるため”に生きていた。今の私たちは“金とつながるため”に生きている。」
この一文が、中山康直の文明観を端的に表している。